監督就任①

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突然の宣告

スポーツ選手のキャリアも終盤に差し掛かり、引退後のセカンドキャリアを考えていた頃、

所属チームの監督が辞任した。

その後暫くして、チームの幹部から呼び出された。

「監督を引き受けてくれないか。」

チームは地方の実業団チームである。選手時代には全日本選手権でそこそこの結果をだしてきた。

ただ、漠然と監督という役割を考えたらなにをすればいいのか理解していなかった。

それでも、私が監督になることでチームの力になりたい気持ちと、「監督」という言葉に

カッコ良さを感じて、数秒考えて引き受ける意思を伝えた。だがこれが試練の始まりだった。

監督就任試験

幹部に連れられて、チームの役員会議に参加した。

そして、次年度のチーム体制案をオーナーに伝えた。

「君を監督にすることは認めない。」オーナーの反応であった。

私は一瞬なにが起こったのか理解できなかった。

チーム役員から監督に推薦されて会議に参加したが、オーナー視点では不適任と判断されたのだった。

オーナーは言葉を続けた。

「君は若すぎる。若い人は信頼できない。

 野球やサッカーを見てみなさい。30歳の監督が居ますか。

 トップリーグのチームと肩を並べた時にあなたはそこのチームに意見を伝えたれますか。」

結局その会議では監督人事の決定にはならなかった。

単純な年齢だけで判断された気がして悔しかった。

このチームの監督は私が適任であることを証明すべく、行動を起こした。

<続く>

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